5500人を超す犠牲者を出した、阪神大震災。発生が未明であったため、多くは住居の中で犠牲者となった。
就寝中の中か、或いは、寝起きして間もなくの時に起こりました。
安穏の時、安住の場所がいきなり、一瞬のうちに悲惨な場所になってしまいました。
住む人々の安全と生活を守るべき場所が地震によって、一瞬に倒壊し、また、ある住まいは火災で焼失してしまいました。
実際に体験された方からもじかにお聞きしました。身内の方が家屋の倒壊により下敷きになり亡くなられたそうで、現在の今でも思い出す事もかなわないほど、心の中にトラウマとなり、悔やんでも悔やみきれなさが空虚となって、こころの傷だけが残っている状態である等、なんと言って良いか、わかりませんが、ご察しするのにあまりある話を聞かせていただきました。
一つだけ言えることがあります。
一瞬で地震がきて、一瞬で住宅が倒壊し、下敷きになる、地震がきてからは、遅すぎるのです。
木造住宅は地震に強いのか?
悪徳リフォーム業者の耐震補強詐欺工事が後を絶ちません。
悪質業者から地震がきたら、ただ、倒壊してしまう・・・と恐怖をあおられ、間違った、耐震補強工事をして、リフォーム詐欺にあっている方が数多くいらっしゃいます。
なぜ建物が倒壊してしまったのか? 倒壊しない家はどういう家だったのか、今一度、認識を新たにすることにより、間違った、リフォーム工事をしなくて済み、家の維持管理
において、失敗しないリフォームをすることができると存じます。
阪神大震災の何故大きい被害になったか?
直下型地震によって家屋が倒壊し、電気配線・ガス、水道管の断裂をもたらしました。隣家に向かって自分の家が倒壊し損害を与えたり、大きい外塀が道路側に倒れたりしました。それが救助や消防活動を妨げる結果になりました。さらに追い討ちをかけた火災。
これも、家屋の倒壊によって漏れたガスに切れた電線によるスパークが引火したものと言われています。
こういうことが連鎖をして、被害を大きくしていった訳なのです。
倒壊した家の下敷きになって、逃げ遅れた為に助かる生命を失ってしまった数多くの被害者、街中が瓦礫の山で、重機が入れず、救助ができない・・・まさに地獄絵のようでした。
実際に体験された方は、思い出すだけでもいやだ。「早く忘れたいが、忘れる事ができない」と、いまだに苦しんでいるといいます。
こういう思いは二度としたくないですし、このような大惨事にならないようにしていきたいものです。
建物の倒壊だけでも避けられば、被害は最小限の抑えられます
建物の一部が壊れても、倒れさえしなければ、避難も出来るし後で家財を持ち出すこともできます。建物も応急処置を施せば生活も可能ですし、その後の建物の補修工事も少なく済みます。
日本の住宅は最も多く建てられている一戸建ては木造軸組工法で建てられた家屋が多く、倒壊した建物が多いのですが、倒壊しなかった家屋もあります。
住宅の維持管理のメンテナンスに、この大震災の教訓を生かす事が重要です。
木造軸組工法のような在来工法の場合、地震で倒壊する被害のあった建物は、建てられた年代によって被害の大きさが違います。しかし、ただ築年数が古いから地震で倒壊したのだと早急に判断をしない方が良いと言うことがわかってきました。
確かに新しい年数の建物は新潟地震・十勝沖地震・宮城沖地震の経験が今の建築基準法や住宅金融公庫の仕様に反映され、耐震的な対策が盛り込まれようになったため、倒壊は少なかったのですが、新しい建物でもカビや湿気が出やすい建物は倒壊しています。
最近、カビや湿気のでない住宅がクローズアップされるようになったは、住環境の問題もありますが、地震対策の面もあります。
建物の重要な構造である柱の部分まで、カビやシロアリがでるようになれば、柱の強度も弱くなり、地震に弱い建物になってしまいます。
建物の維持管理は重要で大切な部分です
阪神大震災の倒壊しなかった建物の中で古い建物でも倒壊をせずに被害を免れた、木造住宅も数多くありました。それらの建物は日頃からの維持管理などの手入れをしっかり行き届き、柱などの腐食がなかった、木造住宅は倒壊せずに残っておりました。
逆に地震で倒壊してしまった建物は手入れをしないままの状態にして、土台や柱が腐ってしまっていたり、シロアリの被害が多かった建物が倒壊をしていたという事実があります。
その原因に、
『壁の中の柱や土台は外からは見えずに腐食の状態がわからなかった事』
『住宅を火災から守る為に外壁に使用されているモルタル壁です。』
があげられます。
モルタル壁
木の弱点は『腐ること』 と 『燃えること』 です。
その燃えることの弱点を燃やさないようにする為のモルタルが木を腐らせる原因になっておりました。
この外壁モルタルが剥がれ落ちる被害も目立ちました。その原因の多くは、下地の構造に原因にありました。モルタルの付着をよくする為に金網【ラス】を張るのですが、このラスと止め釘が錆でボロボロのものでありました。
『モルタル壁の性質の一つに硬化収縮現象による、モルタル壁自身が収縮してひび割れがするという現象があり、これは、雨漏りの原因ともなっており、また、結露もしやすい素材です。
年数の新しいうちはよいのですが、耐久性では不十分でありました。